3年ほどメインで使ってきたHHKBことHappy Hacking Keyboardを控えに回し、別のキーボードに乗り換えることを決意しました。
HHKBの特徴
高価だが非常に評判の良いキーボードです。コンビニATMなどと同様、静電容量無節点方式が採用されていてスコスコと心地良い入力ができます。
もっと細かい情報が欲しい方は公式サイトや、HHKBを絶賛しているブログ記事などが多数ありますのでそちらを参考にしてみてください。
私が使っていた機種は「HHKB Professional HYBRID Type-S 日本語配列/墨」。Bluetoothで無線接続ができる静音モデルで、色は墨で黒地に黒文字がうっすら印字されています。
基本的にコーディング時は手元を見ずに入力するので、キートップの文字が見えなくても問題ないかなと思って墨を選びましたが、これが大きな間違いでした。
実際に仕事で使っているイメージです。テンキーがないのでマウスが近くて快適です。
写真の通りマウスではなくトラックボールを使っています。これがまた一長一短あって悩ましい。この辺もまた別記事にしようと思ってます。
何が問題になったか
キートップ(キーキャップ)の文字が見えない
手元を見ずに入力とか豪語しておいて矛盾しているように聞こえるでしょう。
上に書いた通り「コーディング時は」と言うのがポイントです。コーディング(プログラムを書いている時)は手元は見ないのですが、デバッグ時のステップ実行でF5、F10、F11あたりを多用する場面で困ります。
テスト時はエビデンスを撮るためにプリントスクリーンなんかも使います。
これらの場面でも手がホームポジションから動かなければ問題なく目的のキーが押せるのですが、GUIアプリ開発中などは画面にあるボタンをマウスでクリックしたときに正しく動くかのテストも重要だったりするので、常にホームポジションに手を置いておくわけにいかないのです。
一般的なキーボードのファンクションキーはF4とF5の間、F8とF9の間に隙間があるためパッと見でF5やF10を見つけられますが、HHKBは例えばF5であればFnキー+数字の5を組み合わせてF5になります。
一般的なキーボードの最上段にある「F1〜F12」のキーを「ファンクションキー」、HHKBやノートPCにある「Fn」キーを「エフエヌキー」と呼称します。Fnだってファンクションの略だろうから紛らわしいですね。
キーボードから手が離れた状況でF5が押したいとき、Fnは端っこだからすぐわかりますが、数字の5を探すのに端から数える(ESCがあるから左から6番目が5)かキートップを目視して5を探す必要が出てきます。
F10はFn+0、F11はFn+-で、この辺になってくると記号が並んでいるので右から何番目だったかわからなくなりますね。
しばらく5と0の上に小さく切ったマスキングテープを貼ってみたりしてたのですが見た目が汚くてやめました。
3つのキーの組み合わせ
プログラムの修正箇所を探すために検索でF3(順方向検索)とShift+F3(逆方向検索)なんかもよく連打します。
この時、F3はFn+3、Shift+F3はFn+Shift+3を押すことになります。3つ同時となるとどうしてもホームポジションのフォームが崩れるし、手元を見ずに押すのは難しくなってきますよね。
これを回避するために左手キーボードを追加したりもしてみましたが、目的は果たせたもののテンキーレスのコンパクトなキーボードを導入した意味が薄れるというか本末転倒というか・・・。左手キーボードを触るってことはホームポジションから手が離れるわけだし。
配列のカスタマイズ
HHKBは有線接続して専用アプリからキー配列を自由にカスタマイズできます。それを利用して自分がわかりやすようによく使うキーや組み合わせを配置すれば?と言われそうですが、そうもいかないんです。
仕事でSE/プログラマーをしていると出先で用意された端末や共用端末を触ることがあり、あまり激しくカスタマイズしたキーボードに慣れきってしまうと、そのような場面で多大なストレスを感じることになります。
そもそもHHKB標準の配列がちょっと個性的なので、それに慣れた時点で結構まずいとは思います。マイHHKBを持ち歩いて客先で勝手にペアリングするわけにもいかないし。
とはいえ、何十年も標準的なキーボードに慣れ親しんでいるのでなんとかなるんですけどね。
あと、これは個人の性格や好みの問題かと思いますが、キーに書かれているのと実際押した時の意味(動作)が異なるのは気持ち悪い気がします。
欠点を乗り切るためにとった対策
左手キーボードの導入
3つのキー同時押しのところでも書きましたが、まず左手キーボードを導入してみました。
デバッグで使うF5、F10、F11、検索で使うF3、Shift+F3、Excelで使うF2などをアサインしてます。
詳細は別記事にまとめていますので、以下を参照してください。
キーキャップを白に変更
英数字と記号はホームポジションに手があれば見なくても打てる。しかし作業していると特殊な機能キーを使いたい場面が思いのほかありまして。
例えばハードコピーを撮るPrint Screen。ページごとにスクロールするPage Up/down。カーソルを行頭や行末に飛ばすHome/End。よく使うのはこれくらいですが、これがまたFn+なんとかで散りばめられています。
覚えてしまえば問題ないのですが、使用頻度としては比較的低いのでなかなか覚えられない。キートップに書かれた文字は薄暗くてもなんとか見えるがキーの手前に書かれた文字は明るくてもほとんど見えないんです。
そこで踏み切ったのが、機能キーを担うものだけ白のキーキャップに変更。
社外品はほとんど出回っていないし、純正品はバラ売りしていないので一式購入になりました。
こんな様子で届きます。
箱の中はこのような形。キーキャップ引き抜き工具も付いてきます。段ボールの余った穴は英語配列のEnterキーなどが入るんでしょうね。
かな印字がないからスッキリしているし、英字がキートップのど真ん中にあるのがいいよね。
下にリンクを貼りますが執筆時点でAmazonでしか取り扱いがないようでした。
Fnとの組み合わせで機能キーになるやつだけ白に交換してみます。まずは取り外し。
白を嵌めます。
なんだかピアノっぽくなりました。キーの手前に印字された文字もしっかり見えるようになりましたね。
しばらくこれで運用してみましたが、視界の隅に入るとちょっと邪魔くさいというかうるさいと言うか、目がチカチカしまして・・・。
結局、あっという間に全部白にしました。
こんなことなら最初から白を買いなさいよって話になっちゃいますね。純正キーキャップ、結構高いし。
HHKBやめます!
この状態で騙し騙し長らく使ってきましたが、この度HHKBには休んでもらうことにしました。
いやね、HHKBが悪いわけじゃないどころか、むしろ非常に良いものだと思ってますよ。品質も機能も素晴らしい。
ホームポジションから微動だにせず文字や記号を入力し続けるような人にはバッチリでしょう。
マウスや機能キーを多用したり、入力中にお菓子や飲み物に手を伸ばしたら指が迷子になるレベルの人は導入を一旦考えた方がいいです。
45gのキー荷重は一般的ではありますが、やや重めです。ATMよりちょっと重く感じるので、あっちは30gなのかな?
てなわけで数日後には新しいキーボードが届きます。HHKBを購入した時、最後まで候補だったアレを買いました。
届いてある程度使い込んだらまた記事にしようと思います。何にしたかはそれまでのお楽しみってことで。
30gとか書いただけでバレちゃってそうだけどね。
今度こそ大丈夫なんでしょうね?
それはどうかな?そんなに簡単に理想のキーボードに辿り着けるなら「キーボード沼」なんて言葉は出てこないよ。
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